2020年 – クリアン 設立
2020年12月、日本の小豆島にて、創設者である江川裕基と熱意ある環境系JICA海外協力隊出身のチームメンバーによってNPO法人として正式に設立されました。
海洋ごみ問題に対処する革新的なソリューションを開発し、海洋ごみのない未来を創るという壮大なミッションのスタートとなりました。
2021年 – 既存の海洋ごみ回収活動の実行と学び
日本ですでに行われている海洋ごみ回収活動をほぼ全て実行し、そこから多くを学びました。
しかし、こうした既存活動だけでは限界があると痛感し、新たなアプローチが必要だと決意。海外の先行事例にも視野を広げ始めました。
2022年 – テクノロジーのパイロット版と初期の清掃活動
最初の低コスト海洋ごみ収集装置(入手しやすい材料を活用した浮体バリアシステム)を開発し、小豆島沿岸でパイロット的な清掃活動を実施。
回収装置No.1~No.3までを試作・運用しましたが、海上での回収装置の実証実験は失敗に終わりました。
2023年 – インパクト拡大のための基盤作り&再資源化連携開始
回収装置No.4~No.6を開発・運用。海上での回収装置実証実験に初めて成功し、海洋ごみの漂流ルートの特定と補足を果たしました。
同時に、漁業者を含む市民科学的なデータ収集を検討し、回収時点での海洋ごみに関する情報を蓄積する「海洋ごみMAP」の構想を練り始めます。
素材別再資源化パートナーとして3社と連携を開始し、2023年末までに累計1,000kg以上の海洋ごみを回収。
2024年 – 海洋ごみMAPリリース&河川回収装置リリース&モザンビーク海上回収装置実験開始
海洋ごみMAPのプロトタイプをリリースし、アプリとWEBマップを一般公開。初の「回収支援証明書」を発行。
河川向け回収装置の開発・運用に着手し、モザンビークにて海上回収装置の実験を開始。
2024年末までに累計2,000kg以上の海洋ごみを回収し、新たに素材別3社(缶、ルアー、釣りロッド)との再資源化連携を締結。
2025年 – 組織拡大、海洋ごみMAPのさらなる進化と河川回収装置発展へのさらなる準備
河川回収装置を他エリアへ展開可能にするため、システム・オペレーションを大幅にアップデート。
海洋ごみMAPにAIを組み込み、解析精度を次のステージへ。
ブロックチェーンを活用した海洋ごみ回収クレジット発行システムとの連携を実装してユーザー層を拡大。
海洋ペットボトルを扱う1社と再資源化新規連携し、研究成果を論文として発表。神戸拠点の設立などで組織全体の専門性と影響力を強化。
2026年 – 国際連携の強化
2025年のノウハウを基盤に、海洋ごみ業界の海外先行事例とのパートナーシップ構築を進め、アジア・アフリカ・南米を中心に協同清掃プロジェクトを本格実施。現地NPOや企業との連携を拡充し、河川・海洋双方の回収装置運用モデルを展開。マルチリンガル対応の海洋ごみMAPで集積されたデータを解析し、汚染度の高い地域へのリソースを重点配分。海洋ごみMAPと連動した追跡システムで、ごみが回収されてからリサイクルされるまでを可視化。国際支援プログラムや環境基金との連携を深め、資金・人材・技術面でのサポートを拡大。
2027年 – スマートテクノロジー・大規模実証・海底ごみ回収装置展開
漁法やAIを活用した次世代のごみ回収システムを高度化し、大規模実証を継続。
日本の瀬戸内海で海底ごみ回収装置の開発に成功し、回収領域を海底まで拡大。海洋ごみをトレースすることで海洋エネルギーの解析をアップデート。解析データに基づいて気象変動・海流を予測し、最適な回収ポイントとタイミングを提案するシステムを強化。新興国や島嶼地域との共同開発を拡充し、低コスト・高効率な清掃装置を世界規模で普及。
2028年 – 深海ごみ回収装置の開発成功
海底域よりさらに深い水域をターゲットとする深海ごみ回収装置の開発に成功し、テスト運用を開始。耐圧性や遠隔操作技術を強化し、深度の深い海域での持続的な清掃活動を実現。長期的な観測データとの組み合わせにより、深海環境への影響を最小化。
2029年 – 深海ごみ回収装置の開発成功
世界各地で蓄積した膨大なデータと成功事例を基に、海洋ごみ回収技術が大きく進化。
リアルタイムの気象・海流変化を学習するAIや、高耐久マテリアルを使った回収装置が登場し、清掃能力が飛躍的に向上。回収装置同士の自律連携で広範囲・効率的な回収ネットワークを構築。環境負荷を抑える自然エネルギー活用強化により、稼働時間の大幅延長を実現。陸上のリサイクル拠点とも連携強化し、回収~リサイクルの工程を自動化・高速化
2030年 – 海洋ごみゼロ社会の実現を目指して
他団体とも回収データを連携し、海洋ごみMAP上で定量化された海洋ごみ回収量が流出量を上回る目標を設定(日本では年間2万トンから6万トン規模)。
大規模キャンペーンを世界各地で展開し、海洋ごみゼロに向けた社会全体のシステム転換を加速。達成度合いを定量的に評価し、目標未達地域へ重点的にリソースを配分。ごみ削減~回収~再資源化までの循環モデルを完成度高く運用。国際目標との連携を深め、クリーンな海を次世代に残す総仕上げへ
2050年 – 世界規模で海洋ごみオフセットを目指す
海洋への年間流出量とされる約800万トン以上の回収を世界と協力して実現し、海洋ごみオフセットの概念をグローバルスタンダードに昇華。
人類全体で海洋ごみの総量削減に取り組む体制を確立し、今後の世代にとって安全で豊かな海を守る長期的ビジョンを示します。
同時に流出量を抑えるため、回収状況を正確に発信して新たな海洋ごみの流出を防止し、企業の使い捨てプラスチック使用量削減にも貢献。
こうした取り組みを通じて世界規模で年間海洋ごみオフセットを達成し、「回収量>流出量×年数」 を実現させながら、海洋ごみを長期的にゼロへと近づけていきます。